宅地建物取引業法

では宅地建物取引業法で示される宅地について解説します。

不動産購入のイメージ

宅地建物取引業法での宅地は「建物の敷地に供せられる土地をいい、都市計画法 (昭和四十三年法律第百号)第八条第一項第一号の用途地域内のその他の土地で、 道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられている もの以外のものを含むものとする。」となっています。 なので「建物の敷地に供せられる土地」が基本になると考えればいいでしょう。 これに該当するのは建物が建っている土地、そしてこれから建てるために取引 される土地、および敷地内であればガーデンも含みます。 木造住宅が建っていたけど取り壊して今現在は更地になっている、これから鉄筋 住宅を建設する予定になっている土地も宅地ということです。 遠くない将来に注文住宅を建築するのに、更地にする期間があるからと地目も その間だけ変更するのは合理的ではありません。 そのための土地なら現在住居があるかどうかに地目は関係ないのです。 宅地建物取引業法の規制もありますし、住宅用地はそうしなければいろいろと面倒 なことになるので覚えておきましょう。 では都市計画法第八条第一項第一号の用途地域内のその他の土地で、道路、公園、 河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられているもの以外の ものとはとはどう解釈すればいいのでしょうか。 正確に知りたければ都市計画法を理解しなければならないのですがそれはちょっと 難しいので簡単にまとめて解説すると、都市計画で将来は住宅地になる予定なら そこの地目は宅地とする、ということになります。 今がどんな状態かは関係なく、都市計画でそこを住宅地として開発予定なら先に 宅地としてしまおう、ということです。 現在はまだ山林だけど切り開いて人の住む土地にするのなら、です。 今日見にいったら舗装された道路もなく山道を歩いて進んだら猪に出くわしたけど、 蛇に噛まれそうになったけど、というような場所でも都市計画次第では宅地になる のがこの文のポイントでしょうか。 ただし道路、公園、河川など公共の施設となるものは除外されます。 いくら都市計画でもこれは当たり前で、道路までもを宅地にするような無茶は するわけがありません。 そんなことをして本当に住宅を建設されてしまったら道路が分断されて不便な ことになってしまいますし、立ち退いてもらうのなら相応の金銭が必要になります。 なので公共施設はどんな場合もほぼ例外なくそれっぽい地目に分類され、宅地と されることは滅多にないでしょう。 その一帯を都市計画で開発すると決めたとしても、公園があったらそこも宅地に されたらたまったもんじゃありません。 場合によっては取り壊すか移動させる流れで宅地になることもあるでしょうが、 そうでない限りずっと公園のままです。 大きな河川があったらそこもやはり住宅を建てることにはならないでしょうし、 どこの都市でもここも例外になるはずです。 これが都市計画法の用途地域内の土地を宅地とする、という大まかな意味です。 まとめると今現在住宅地となっている不動産は敷地内の施設がある部分も含めて 地目は宅地になり、まだ住宅が建築されていない土地もその予定があるのなら宅地 の扱いになる、といったところです。 ですがその予定がかなり未来のことであったら無効になるでしょう。 今は墓地だけど300年後に子孫が家を建てる予定だから宅地ね、なんて話は通用 しませんし、200年後でも180年後でも却下です。 その時になってから地目を変更して下さい、と言われてしまうでしょう。 とにかくこれらの土地は宅地建物取引業法の対象となるということですので、 売買する予定があるのなら知っておきましょうね。